耳鼻科の手術

当サージセンターにて耳鼻咽喉科手術を行なっております。術中の痛みや出血を考慮し、ほとんどの手術を全身麻酔で行います。また、最新設備による手術時間の短縮、独自の術前検査と術前管理、安定した全身麻酔、適切な周術期管理により、日帰りまたは1泊2日入院による手術を基本としています。


入院手術の新型コロナウイルスを含む感染症対策について


● 入院病棟は外来診療と隔離し、クリーンで安全な管理区域となっています。
● 入院患者さんにあらかじめ抗原定量検査を行い陰性を確認して入院手術を行っています。

理念

「皆様に最良の手術を提供することを目標に」を理念としてサージセンターではいくつかの特徴ある手術を行っています。

経験豊かな院長が行う耳鼻咽喉科手術

数多くの手術を執刀してきた経験豊かな耳鼻科専門医である院長自身が多岐にわたる耳鼻咽喉科手術のすべてを行っていますので当サージセンターの手術治療は皆様に安心してお受けになっていただけるものです。

多くの手術を全身麻酔下に行います

術中の痛みや出血を考慮しほとんどの手術を全身麻酔で行っています。麻酔は麻酔科専門医が、手術は耳鼻咽喉科専門医が行います。麻酔科専門医が行う最新の全身麻酔は信頼性が高く安心して受けていただけます。

日帰り(1日入院)・1泊2日(2日入院)の短期滞在手術

  1. 的確な手術による手術時間の短縮
  2. 必要な術前検査と術前管理による全身状態の安定化
  3. 安定した全身麻酔
  4. 適切な術前ならびに術後管理 以上の点を徹底し日帰り・1泊2日の短期入院による手術を導入しています。

患者さんの安全を第一に考えています

患者さんの安全を最優先に手術治療を行い、手術に対する患者さんの不安の解消を大切にします。

短期滞在手術の利点とリスク

当院で手術を希望される患者さんが手術前の診察の際に私たちにお尋ねになることがあります。それは

多くの医療機関では手術を受けると1週間から10日間、あるいはそれ以上入院することになるのですが、このクリニックでは日帰り・短期入院が可能なのはなぜですか?

というご質問です。当クリニックでは開院以来20数年にわたりこの短期滞在手術を積極的に導入してまいりました。現在当院で行う手術はほとんどすべてが短期滞在手術です。

欧米特に米国は短期滞在手術の先進国で、多くのノウハウが蓄積されています。米国で短期滞在手術が普及しているのは

  1. 医療費抑制
  2. 早期の社会復帰・医療費負担の軽減などの患者のニーズ
  3. 麻酔・術後管理・手術手技の進歩
  4. 医療資源の効率的活用
などの点から定着しているからです。これらの点は患者さんにとっても、社会全体にとっても有益なことと考えられます。私たちが短期滞在手術を積極的に導入を目指しているのもこれらの利点を重視しているからです。

一方で手術の安全性、手術成績が第一であることは言うまでもありません。症例を正しく選択すれば短期滞在手術であっても手術成績にも問題ないことは米国の実績で確認されています。手術の安全性は手術施設の短期滞在手術をおこなう体制が確実に確保されていることが不可欠です。当院では以下の点に留意し短期滞在手術を行う体制を確立させています。

  1. 的確な手術による手術時間の短縮
    小林耳鼻咽喉科内科クリニック院長小林謙は、大学卒業後、大学病院にて研鑚、耳鼻咽喉科専門病院副院長として数多くの手術を執刀し、当クリニック開院後も自らすべての手術を行い手術に関する見識・技量・経験豊富な耳鼻咽喉科専門医です。的確な手術を実践、手術時間の短縮を達成し,手術成績を向上させると同時に短期滞在手術が可能となっています。当院でほとんどすべての耳鼻咽喉科手術を行い、短期滞在手術が可能です。手術内容により日帰り(1日入院)手術と2日入院の手術が選択されます。
  2. 必要な術前検査と術前管理による全身状態の安定化
    手術・麻酔に関しハイリスクな状態でないことが重要です。きちっとした術前検査を行い患者さんの状態を把握したうえで手術を行います。手術を受けるに当たっては患者さんの全身状態が安定している必要があります。健康度の評価には米国麻酔科学会身体状況分類を用いて評価しています。この評価でクラス1あるいは2の場合は問題なく短期滞在手術の適応となります。クラス3であっても良くコントロールされた状態ならば短期滞在手術が可能です。この基準であればすべての年齢の方で短期滞在手術が可能です。
  3. 安定した全身麻酔
    顔面頭部は痛みを感じやすく出血の多い部位で、局所麻酔では、疼痛や出血を押さえることが難しく限界があります。この局所麻酔の限界を考え、当クリニックでは手術を全身麻酔で行っています麻酔は麻酔専門医によって行われ手術を行う医師は手術に専念することができます。全身麻酔に不安を感じる方もおいでになるかもしれません。最新の睡眠導入薬・吸入麻酔薬を用い、全身監視装置により患者さんの状態を逐次把握しながら麻酔科専門医が行う全身麻酔はきわめて信頼性が高いもので安心して受けていただけます。
  4. 適切な周術期管理
    手術を中心とした術前・術後の一定期間を周術期といいます。短期滞在手術では周術期の大半を患者さんの自宅で過ごすことになるので特別な配慮が必要です。当院では周術期の管理に不可欠とされるクリニカル・パスを導入しています。クリニカルパスとは手術ごとに医療スタッフがあらかじめ診療の計画を立てて、その予定をフローチャートとしてまとめ、その計画に従って診療を遂行し評価するシステムです。手術1週間前後で外来で行う術前オリエンテーション・手術前日・手術当日(入院日)・術後1日(退院日)・術後2日・術後3日・・・と確認すべき所見、治療処置、検査、投薬内容を記載したフローチャートをつくります。これを用いることにより周術期の管理を安全、かつ効率的に行うことができます。クリニカルパスは固定したものでなく手術症例の蓄積により改善、より完成されたものを目指すものです。当クリニックでは開院以来短期滞在手術を積極的に導入し完成されたクリニカルパスによる適切な周術期管理を行っています。適切なクリニカルパスによる管理では予測外の問題(バリアンス)の発生率は20%以下といわれています。当院でのバリアンスの発生率は10.1%です。クリニカルパスに従い、患者様には周術期のルールや医療従事者からの指示を守っていただき不摂生による思わぬ事態が起こらない様お願い致します。この点をご理解の上手術をお受けになる様お願いします。

米国麻酔科学会身体状況分類

  • Class 1 健康な患者
  • Class 2 軽微な全身疾患を持つ患者
  • Class 3 日常生活を制限する全身疾患ある患者
  • Class 4 生命を脅かす系統疾患がある患者
  • Class 5 24時間以内に死亡するおそれのある患者

全身麻酔に不安を感じる方

全身麻酔により手術による痛みを除去し、手術による身体や精神のストレスを監視し適切な処置を施すことで常に安全な状態に保ち手術を行うことができます。当院では、麻酔のために特別のトレーニングを積んだ麻酔専門医師が、全身管理を行っています。麻酔方法の進歩はめざましく、麻酔はとても安全に行われるようになってきています。しかし、全ての患者さんに関して、全く安全というわけではありません。万全の体制で臨んでも、全身麻酔の場合、まれに手術前後に期待とは異なる事象が起こることもがあります。当病院では、安心して麻酔を受けていただくために、このような合併症・偶発症が発生した場合でも、迅速に最善の対応をとれるように努力をしています。

施設紹介

「皆様に最良の手術を提供することを目標に」を理念としてサージセンターでは施設の充実を図っています。

最新設備の完備した手術室

最新設備の完備した手術室

CCDカメラ ビデオモニタ

入院病棟は外来診療と隔離し、クリーンで安全な管理区域となっています

病室

手術直後の患者さんの状態は監視モニターにより逐次確認把握し安全を確保しています。

手術実績

平成29年~令和05年までの実績

手術実績
手術実績
手術実績


平成19年~平成28年までの実績

手術実績
手術実績
手術実績

当院の手術の学術的検討を行い、学会専門誌に投稿しています。

詳しくはこちら

当院で行っている手術

耳の手術鼓膜チューブ留置術鼓室形成術鼓膜形成術│あぶみ骨手術内リンパ嚢手術

鼻の手術アレルギー性鼻炎に対する下甲介粘膜焼灼術鼻中隔矯正術・下甲介手術副鼻腔内視鏡手術

咽の手術扁桃摘出術声帯微細手術(ラリンゴマイクロサージェリー)

頭頸部の良性腫瘍の手術耳下腺腫瘍甲状腺腫瘍

滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ留置術

どのような患者さんに行うか

  • 3か月以上続く中等度以上の難聴(40dB以上の難聴)のある両側滲出性中耳炎(推奨度A)
  • 3か月以上続く鼓膜に癒着などの病的変化を伴う両側あるいは片側の滲出性中耳炎(推奨度A)
  • 3か月以上続く25~29dBの難聴を伴う両側あるいは片側の滲出性中耳炎(推奨度B)
  • 3か月以上続く難聴以外の臨床症状(前庭症状、学校生活における活動性の低下、学業面での遅れ、行動面での問題、耳の違和感、QOL低下など)を伴う両側あるいは片側の滲出性中耳炎(推奨度I)
    推奨度の説明はこちら
どのように行うか
小林耳鼻咽喉科内科クリニックでは患者さんの年齢を考慮し全身麻酔下に行っています。全身麻酔は麻酔科専門医により行われ、日帰りの手術です。鼓膜切開の後鼓膜チューブを挿入留置します。


どのようなチューブを選択するか                                                   


短期留置型
チューブ
長期留置型
チューブ
留置機関の平均8~16カ月18か月~3年
選択基準1回目のチューブ留置術再発症例の再手術時・難治症例
チューブの有効性
50~80%の症例で1回の短期型留置チューブ留置
で、後遺症なく治癒する。

チューブ留置中の有害事象耳漏17% 再発性耳漏2.1%
チューブ閉塞6.9% 処置の必要な肉芽1.8%
早期チューブ脱落3.9% 鼓室内脱落3.5%
チューブ除去の必要な耳漏4.0%(そのうち87%
が長期留置型)
チューブ抜去後の変化鼓膜硬化31.7% 鼓膜萎縮24.6%
鼓膜緊張部ポケット形成3.1%
短期留置型の鼓膜永久穿孔2.2%
短期留置型の真珠腫形成0.8%
長期留置型の鼓膜永久穿孔16.6%
短期留置型の真珠腫形成1.4%

短期留置型チューブ(白色)を留置した右の鼓膜所見

短期留置型チューブ(白色)を留置した右の鼓膜所見

長期留置型チューブ(緑色)を留置した右の鼓膜所見

長期留置型チューブ(緑色)を留置した右の鼓膜所見

鼓膜換気チューブの術後管理

  • 最長で4~6か月に一度、定期的に鼓膜換気チューブの留置状態を観察し、聴力の評価を行うことを推奨する。(推奨度A)
  • チューブ脱落後には再発の有無と追加治療(チューブ再留置)の必要性についてさらなる経過観察が必要であり、チューブ脱落後1~3か月以内に経過観察する。(推奨度A)
  • 術後早期に鼓膜換気チューブの留置状態を観察し、聴力の評価を行うことを推奨する。(推奨度I)


鼓膜換気チューブはいつまで留置すべきか

  • 難治化のリスクを伴わない小児滲出性中耳炎症例では、鼓膜換気チューブの留置は通常2~3年までとし、2年以上留置されている場合には抜去について検討すべきである。(推奨度I)
  • 保存的治療に難治性の耳漏や、チューブ留置部の炎症性変化(肉芽形成)が強いときも抜去について検討すべきである。推奨度I)

当院では小児の鼓膜チューブ留置術や鼓膜切開を全身麻酔下で行う理由

鼓膜切開術や鼓膜チューブ留置術は手技としては難しいものではなく大人の場合外来の局所麻酔下で行えるものです。しかし、小児の場合事情は大きく異なります。

小児の鼓膜切開や鼓膜チューブ留置を局所麻酔で行う問題点

  • 局所麻酔は完全なものではなくある程度の痛みは感じる。
  • 手術操作の音が気になる。
  • 目に見えない手術操作が不安感や恐怖感を与える。
  • これらから小児では動かずに落ちついて手術を受けることが困難。
  • その結果、看護士が子供を押さえつけて手術操作を行うことになり、さらなる不安感や恐怖心を生む。
  • 手術操作は顕微鏡下で行うため、手術時の体動は安全な操作の妨げになる。
  • 子供に生まれた不安感や恐怖心は手術そのものだけではなく、その後の一切の医療行為を拒否することになる。
  • いわゆるトラウマになり典型的な医者特に耳鼻科医ぎらいとなる。
医療行為は安全が第一であると同時に極力苦痛のないものであることが必要です。上に述べた局所麻酔の問題点を鑑み当院では小児の鼓膜切開や鼓膜チューブ挿入を全身麻酔下で行うことにしています。それにより安全、安心の医療が実践できるものと考えています。

慢性中耳炎に対する鼓室形成術

どのような患者さんに行うか

  • 慢性化膿性中耳炎では①耳漏の発生頻度②難聴の程度と聴力改善の可能性③合併症の有無を考慮して鼓室形成術の行うか判断する。
  • 真珠腫性中耳炎では原則として鼓室形成術を行う。

慢性中耳炎に対する鼓室形成術

どのように行うか
小林耳鼻咽喉科内科クリニックでは全身麻酔下に手術用顕微鏡を用い鼓室形成術を行います。全身麻酔は麻酔科専門医により行われ、1泊2日の短期滞在手術です。

  • 耳の後ろを切開します(耳後部切開)。頭の毛をそる必要はありません。
  • 鼓膜穿孔の修復の材料として耳の後ろの側頭筋の筋膜を用います。
  • 外耳道骨部を削り外耳道を広げ中耳腔の観察を容易にします。
  • 炎症性変化を除去し正常に近い中耳腔を作ります。
  • 音を伝えるための耳小骨が障害されている場合耳小骨の再建も行います。
  • 最後に鼓膜穿孔の修復を行います。

合併症の可能性・危険性

  • 術直後の耳鳴・めまい:手術の操作の影響が内耳に及び起こります。頻度が高いものではありませんし、一過性のものがほとんどです。
  • 味覚障害:中耳を味覚の神経が通っているために、手術操作が及び味覚障害が起こることがあります。味覚障害が起こらないように慎重に手術します。病変の処理のため味覚の神経を切らざるを得ない場合がまれにあります。神経が切れない限り障害は一過性のことがほとんどです。
  • 切開創の感染:適切の術後処置を行うことにより感染を起こさないようにします。皮下の縫合糸が術後露出することがありますが、抜去すれば問題はありません。
  • 鼓膜の再穿孔:鼓膜の再生中に小さな穿孔が起こることがありますが、外来治療で閉鎖します。大きな鼓膜穿孔が起こることはまれです。その場合には外来で手直しの手術を行うこともあります。

鼓膜穿孔に対する鼓膜形成術(接着法)

どのような患者さんに行うか

  • 耳漏のない(感染のない)単純な鼓膜穿孔。
  • 上記の条件が満たされれば慢性中耳炎・外傷性鼓膜穿孔・鼓膜チューブ留置後の穿孔などほとんどの鼓膜穿孔に適応になる。
  • 中耳粘膜の病変が高度な症例、耳小骨に傷害のある症例、真珠腫性中耳炎は適応にならない。これらは鼓室形成術の適応となる。
  • 鼓室形成術の一環として本法を行うこともある。

鼓膜穿孔に対する鼓膜形成術(接着法)

どのように行うか
小林耳鼻咽喉科内科クリニックでは手術用顕微鏡を用い鼓膜形成術(接着法)を行います。手術は局所麻酔でも行えますが、全身麻酔下に行う方が確実、安全に行えます。。

  • 耳の後ろを切開します(耳後部切開)。頭の毛をそる必要はありません。
  • 鼓膜穿孔の修復の材料として耳の後ろの側頭筋の筋膜を用います。
  • 鼓膜穿孔辺縁を処理します。
  • 採取した筋膜を鼓膜穿孔に生体のりで接着します。
  • これにより正常な鼓膜が再生されます。

合併症の可能性・危険性

  • 術直後の耳鳴・めまい:手術の操作の影響が内耳に及び起こります。頻度が高いものではありませんし、一過性のものがほとんどです。
  • 味覚障害:中耳を味覚の神経が通っているために、手術操作が及び味覚障害が起こることがあります。鼓膜形成術ではほとんど起こらないとされています。神経が切れない限り障害は一過性のことがほとんどです。
  • 切開創の感染:適切の術後処置を行うことにより感染を起こさないようにします。皮下の縫合糸が術後露出することがありますが、抜去すれば問題はありません。
  • 鼓膜の再穿孔:鼓膜の再生中に小さな穿孔が起こることがありますが、外来治療で閉鎖します。大きな鼓膜穿孔が起こることはまれです。その場合には外来で手直しの手術を行うこともあります。

耳硬化症に対するあぶみ骨手術

メニエール病に対する内リンパ嚢手術

アレルギー性鼻炎に対する下甲介粘膜焼灼術

どのような患者さんに行うか

  • アレルギー性鼻炎・スギ花粉症・慢性肥厚性鼻炎の患者さん。
  • 特に鼻づまりがある患者さん。

どのように行うか

  • 焼灼するためにレーザー・アルゴンプラズマ・トリクロル酢酸などが用いられます。
  • 小林耳鼻咽喉科内科クリニックではアルゴンプラズマを用いています。
  • 局所麻酔下で行う外来手術です。
  • 20分程度局所麻酔剤のガーゼを挿入し局所麻酔を行います。
  • 内視鏡下に行い、片側5分程度です。
  • 術中・術後の痛みは強いものではありません。

下甲介焼灼術の原理・効果

  • アルゴンガスを用いることによりプラズマ電流が均一の流れ、粘膜を均一に焼灼することができます。
  • 焼灼は表面の粘膜のみにおこり深くには及びません。
  • 粘膜焼灼により粘膜の変性脱落が起こり、その後再生する粘膜はほこりやスギ花粉に反応しにくいことが多い。
  • それによりアレルギー性鼻炎・スギ花粉症の症状が軽減します。
  • 粘膜下の組織の変化も起こり腫脹が軽減し鼻づまりが改善することも特徴です。
  • 粘膜焼灼による変化が長期にわたることも少なくありません。
  • スギ花粉症では何シーズンかにわたり効果が持続することもあります。

アルゴンプラズマ手術

手術の手順

  • 外来の予約手術です。受付で予約をお願いたします。
  • 術前の鼻づまりの程度を確認するため鼻腔通気度検査を行います。
  • 局所麻酔剤を含んだガーゼを鼻腔に挿入し局所麻酔を行います。術中の痛みを極力軽減するために20分から30分程度行います。
  • 内視鏡下に焼灼術を行います。内視鏡で鼻内を観察しながらアルゴンプラズマ・アプリケーターで粘膜焼灼を行います(右の図)。片側に5分程度の時間を要します。手術はビデオで記録します。終了後に患者さんに供覧いたします。
  • 局所麻酔を十分に行うことで術中の痛みを極力和らげるようにします。歯を軽く食いしばると歯への痛みの広がりを軽減することができます。
  • 手術後20分程度休んでいただき、鼻出血など特に問題なければ帰宅していただきます。

帰宅後の注意

  • 手術当日の食事は特に刺激の強いものでなければ普通に食事をしていただいてかまいません。翌日以降は食事に制限はありません。当日に入浴はシャワー程度にします。その他生活に制限はありません。
  • 術後1~2日にかけて焼灼の直接的な反応が起こり、粘膜がはれ分泌が亢進します。鼻づまりと鼻漏が起こります。反応は個人差が大きく様々です。反応を抑えるために投薬しますが、症状が強ければ通院をしていただき処置します。
  • 術後の痛みはほとんど問題になることはありませんが、鎮痛剤を処方しますので痛みが強い時は服用して下さい。

術後の経過

  • 焼灼した粘膜にかさぶたが形成され、その後粘膜の再生が起こります。
  • 10日~2週間で粘膜の状態が落ち着き、アレルギー性鼻炎・スギ花粉症の症状が軽快し鼻詰まりが改善します。
  • スギ花粉症では焼灼を行ったシーズン効果が持続します。ほこりなどの通年性のアレルギー性鼻炎では鼻づまりの効果が十分ではない場合には何回か連続的に焼灼を行う方法もあります。
  • まれに鼻のまわりがはれる方がいらっしゃいます。焼灼の影響が及んだために起こるもので、程度も軽く一過性ですので心配ありません。
  • 膿の様な鼻汁が多い場合細菌感染の合併が考えられます。抗生剤の投与がさらに必要になります。

鼻閉の改善を目指す鼻中隔彎曲矯正術・下甲介切除術

どのような患者さんに行うか

  • 左右の鼻腔を境する壁である鼻中隔が強く曲がっている鼻中隔弯曲症
  • 鼻粘膜のが高度にはれた肥厚性鼻炎
  • これらの結果としては鼻づまりが高度となった患者さん。

彎曲のない正常な鼻中隔
彎曲のない正常な鼻中隔(水色の矢印)
彎曲した鼻中隔彎曲
彎曲した鼻中隔彎曲(赤の矢印)
彎曲した鼻中隔と粘膜の肥厚した肥厚性鼻炎

彎曲した鼻中隔(黄色い矢印)と粘膜の肥厚した肥厚性鼻炎(

どのように行うか

小林耳鼻咽喉科内科クリニックでは全身麻酔下で鼻中隔矯正術・下甲介切除術を行っています。短期滞在で行っていますが、日帰り手術(1日入院)も可能です。

鼻中隔矯正術

  • 鼻中隔彎曲の手術的治療が鼻中隔矯正術です。
  • 鼻の入り口から少し入った部分に切開を加え、そこから粘膜を剥がし曲がった骨や軟骨を切除します。
  • 外鼻に傷はできません。
  • 手術時間は極端に彎曲が強くない場合には20分~30分程度です。

鼻中隔矯正術
鼻中隔矯正術

下甲介手術

  • 肥厚した下甲介を処理する手術が下甲介の手術です。
  • 手術の方法は単純に下甲介粘膜切る方法、下甲介粘膜に切開を行い、そこから下甲介骨を切除する方法、デブリーターという特殊な器械で粘膜を削りとる方法などがあります。
  • 手術は鼻中隔矯正術と同時に行うことがほとんどであわせて20分~30分程度です。
  • 当院では下甲介骨粘膜下切除術という方法を行っています。

下甲介手術
下甲介手術

手術前後の比較

手術前後の比較
手術前後の比較

合併症の可能性・危険性

  • 術直後の出血:手術終了時、鼻腔に止血用医療材料を入れることにより防ぎます。
  • 鼻中隔穿孔:術中に粘膜が大きく裂けることにより起こります。鼻中隔彎曲が高度の場合には避けらないこともあります。穿孔は機能的にも美容的にも問題になることはありません。手術を適切に行うことで穿孔を起こさずに済みます。
  • 外鼻の変形:鼻中隔を構成する骨や軟骨を切除しすぎると起こることがあります。切除を適切に行うことで防ぐことができます。
  • 血腫・膿瘍:鼻中隔に術後血液が溜まることがあります。術後のガーゼの挿入で起こらないようにします。細菌の感染が起こると膿が溜まります。適切な抗生剤の投与が大切です。
  • 鼻腔乾燥症:下甲介を過度に切除した場合に鼻の中が乾燥してしまうことがあります。内視鏡を用いて適切に切除します。

副鼻腔炎に対する副鼻腔内視鏡手術

副鼻腔炎に対する副鼻腔内視鏡手術

どのような患者さんに行うか

  • 薬物療法が効果のない慢性副鼻腔炎はすべて副鼻腔内視鏡手術の適応となります。
どのように行うか

  • 全身麻酔下に内視鏡を用いてすべての手術を行います。
  • モニターで内視鏡画像を確認しながら内視鏡手術専用の器械を用いて手術を行います。
  • すべての副鼻腔の手術を行うわけでなく病変のある副鼻腔を選択的に処理します。すべての副鼻腔に病変がある場合すべてを処理する場合があります。
  • 病変をすべて除去するのではなく、ある程度の粘膜を除去し正常な粘膜を再生させます。
  • すべての粘膜を除去し骨壁を露出させることは正常な粘膜の再生を妨げると考えられています。
  • 外鼻や歯茎に切開を加えることはありません。 
  • 手術時間は1時間前後、麻酔時間は1時間半程度です。
  • 現代の副鼻腔炎治療の中で手術の位置づけは、手術により鼻の粘膜の機能を回復させることであり、病変をすべて取り除くことではありません。そのため、術後にマクロライド系抗生剤の少量長期投与を選択することが一般的です。
  • 術後の治療が不適切な場合には再発が起こる場合があります。術後の治療が大切です。
合併症の可能性・危険性 

  • 術直後の出血:手術終了時、鼻腔に止血用医療材料を入れることにより防ぎます。
  • 眼窩内合併症:内視鏡手術の器械の方向を誤ると眼の損傷起こす可能性があります。術者の経験と慎重さが求められる手術です。
  • 炎症の強い場合には出血が多く、手術操作が困難となる場合があります。その場合には手術が過度にならないように手術を終えることがあります。
  • 脳硬膜損傷:眼窩内合併症と同様に慎重な手術が要求されます。

口蓋扁桃摘出術

急性扁桃炎

急性扁桃炎

どのような患者さんに行うか 

  • 1年間に4回以上の扁桃炎を繰り返す患者さん(推奨度A)
  • 扁桃肥大があり睡眠時無呼吸症候群を起こしている患者さん(推奨度A)
  • 口臭・咽喉頭異常感のある慢性扁桃炎の患者酸さん(推奨度I)

推奨度の説明はこちら

扁桃肥大
扁桃肥大
どのように行うか

  • 開口器にて口を開き、両側の口蓋扁桃を摘出します。
  • 出血している部分は電気凝固という方法で焼いて止血します。
  • 外部の皮膚に切開を加えることはありません。
  • 扁桃摘出後の創部を縫合し手術後の出血を防ぎ、疼痛をやわらげるようにします。
手術の合併症の可能性・危険性

  • 術後のいたみ:食べ物の通り道に手術の傷ができるため、自然な痛みとともに嚥下痛があります。痛み止めをうまく使って痛みをコントロールします。
  • 術後の出血:特に手術した当日におこる可能性が高く、手術時に完全に止血をすることが起こさないために重要となります。術後出血した場合には、出血点を電気凝固して止血しなおすこともあります。
  • 味覚障害:口をあける開口器で一定時間舌を圧迫するために術後一過性に味覚障害が起こることがあります。
  • 開口器で口を大きくあけるため口唇・口角にただれや口唇炎や口角炎が起こることがあります。多くの場合、経過とともに改善します。術後時に形成外科的治療を必要とすることがあります。

声帯ポリープなどに対する声帯微細手術(ラリンゴマイクロサージェリー)

どのような患者さんに行うか

  • 声帯ポリープ
  • 声帯結節
  • 声帯腫瘍

どのように行うか

  • 全身麻酔下に行う。
  • 口から筒状の喉頭直達鏡を挿入し声帯を明視できるようにする。
  • すべての手術操作を手術用顕微鏡を用いて行う。
  • 出血はほとんどなく、術後疼痛はない。
  • 1日入院の日帰り手術。
  • 術後一定期間声の安静に努める。
  • 手術当日の夕食から食事は可能

手術の合併症の可能性・危険性

  • 喉頭直達鏡挿入時に歯を痛めないように配慮することが大切で、慎重に挿入します。
  • 体型によってはかなり開口を強くします。術後に顎の関節の軽い痛みが起こることがあります。痛みが強い場合には鎮痛剤をもちいます。
  • 懸垂頭位で手術を行うために術後に肩などに筋肉痛が起こることがありますが、強いものではありません。
  • 術後の咳や痰があることがあります。咳止め・鎮咳剤を処方します。
声帯ポリープ

声帯ポリープ

説明書

各々をクリックすると説明書(PDF)をご覧いただけます

手術を受けるまでの流れ

STEP.1 術前診断

当院での手術を希望される場合、まず院長の診察を受けて頂きます。診察は予約制です。小林耳鼻咽喉科内科クリニック受付にて予約をお取りください。他医療機関からのご紹介の方は診療情報提供書(紹介状)ご持参ください。

予約を希望される方はこちら。

院長診察では病気の診断、手術適応の判断をいたします。場合によっては診断のための検査が必要となることがあります。

STEP.2 手術予約

診断が確定し手術を行う場合に、次に手術日を決定します。手術日は原則として金曜日です。手術当日朝入院となります。手術により1日入院(日帰り手術)、2日入院(手術翌日退院)となります。

手術予約状況

STEP.3 術前検査

全身麻酔下の手術を受けるには術前検査が必要です。全身麻酔のための全身状態チェックの検査(血液検査・心電図・呼吸機能検査・胸部レントゲン検査)と耳鼻科手術ための画像診断検査を行います。全身状態検査は当院で行います。予約検査も可能です。画像検査は外部医療機関への紹介検査ですが、予約が必要で当院から直接予約ができます。画像検査医療機関は都内各所にあり、土・日曜日も可能です。検査は手術2週間前までに済ませてください。

画像検査医療機関所在地

STEP.4 術前
オリエンテーション

術前検査の結果が出た後、手術前1週間前後の日に術前オリエンテーションを受けて頂きます。手術説明書・承諾書をお渡しします。手術前の注意事項を説明し、パンフレットを差し上げます。

術前オリエンテーションパンフレット①:術前の注意

術前オリエンテーションパンフレット②:手術日

術前オリエンテーションパンフレット③:術後から退院

STEP.5 入院

指定された時間に入院をして頂きます。来院されたら受付けおいで下さい。入院日が手術を行う日です。手術は空腹で受けていただく必要があります。前日夜11時以後は飲食禁止です。ご注意ください。受付後お部屋にご案内します。入院後院長診察があります。病室はすべて個室となっています。

手術入院費用

本年度の医療費改正に伴い現在改定中です。

詳しくは受付にお問い合わせください。

手術予約状況

現在準備中です。電話にて受付にご確認ください。